
日本酒は、米と水、杜氏や蔵人たちの技によって醸されています。
江戸時代の酒造りに使われていた米は、今のようなこだわりの酒米があるわけではなく、米でありさえすればよい、というものでした。 しかし現代、酒米には最高峰とされる山田錦や各県で誕生した独自の酒米があり、これに精米技術の進歩が加わって、日本酒の味の幅は驚く程豊かになりました。
田中酒造では、地元の優良な酒米「レイホウ」をはじめ「西海134号」、「山田錦」を用い、筑後川の伏流水で仕込んでいます。 歴代の杜氏は研究熱心で情熱家。 共に築き上げてきた酒造り哲学を胸に、現在は当主田中傳也が杜氏を務め、妥協なき酒造りに励んでいます。
私たちが理想とするいい酒とは、食中酒として楽しめる酒であること。
とかく香りに価値が置かれる吟醸酒として、鑑評会のための吟醸酒ではなく、”味吟醸”として料理に合っていることが田中酒造の酒なのです。
蔵には今、吟醸酒の古酒が眠っています。最も古いもので昭和55年。5年10年と熟成された味わいを披露できる日を、今か今かと待ちわびているのです。
米の旨味が生きた私たちの酒は、総じて甘口。
ご飯がどんな料理にもアレンジが効くように、私たちの酒もあらゆる料理とマッチングを楽しんでいただけます。

佐賀平野の秋の風物詩の一つに、”はんぎー”という半切桶に乗って行う菱の実の収穫があります。
かつて菱の実は当たり前のように食べられていましたが、生産農家が減少した今では、希少価値の高い食材となっています。 昭和50年半ば、この菱の実を使った麺や菓子の加工品が考えられましたが、最終的に成功にたどり着いたのが焼酎でした。 菱の実の特殊な澱粉で仕込んだ日本初の菱焼酎は、販売以来評判を呼び、「芙蓉」と並ぶ代表銘柄となっています。
漢方薬としても用いられる菱の実は、農薬を浴びると枯れてしまうデリケートな植物です。 現在は漢方の本場・中国の契約農家のもと、完全無農薬で栽培されています。 その自然のままの味が生きた菱焼酎は、豊かな風味が魅力です。 度数は20℃~43℃まで揃い、味わいは超マイルド。 キレが良くさっぱりとした口あたりで、度数のわりに軽く飲めるのが菱焼酎らしさでもあります。 できれば割らずに、本来の味をお楽しみください。